告白の返事

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告白の返事

君に早く会いたい。はやる気持ちを抑えきれずにいつもより早く学校に着いた。 教室には、まだ数人のクラスメートが居るだけだった、君の姿はなかった。 隣の君の席を見ながら早く来ないかなっと、どきどきしながら君の事を待った。ちゃんと自分の気持ち伝えられるかな。お互い好きになったら、どんな関係になるのかな。そんなことを考えていた。 クラスメイトとの大半が教室に来ても、君は来なかった。 ホームルームの開始を告げるチャイムが鳴っても君は来なかった。 担任の先生が教室に来ても君は来なかった。 風邪でもひいたのかな、昨日は元気だったけど、帰りに様子を見に行かないとねっと考えを巡らしていた。 先生の発した言葉に目の前が真っ白になった。 意識が途切れる直前に聞いたのは、君が両親の都合で急に転校したって・・・。 知らない天井が目に入った。よく周りを見ると保健室のベッドだとわかった。 倒れる前の事が少しづつ思い出された。 君が転校したって、聞いて倒れたのを思い出した。先生の話は、きっとウソだ、だって、今日、君に返事をする約束をしているから、君は私との約束を破るよなことはしない。 保険の先生にちゃんと寝ているか聞かれた。昨日は、君に返事することで緊張してよく眠れなかったことを思い出した。あまり眠れなかったと言ったら、保健室で寝ていなさいって言われた。なんとなくだけど、気を使われている気がした。 好きって言ってくれた君に返事をするために、放課後に公園で日が落ちるまで待ち続けた。 君はこの公園に来るといつも空を見上げて、手を空にかざしながら、この空を自由に飛べたらいいのにって笑顔で言っていたよね。 高学年になってからクラスメイトにからかわれるのが嫌で、小学校から少し離れたこの公園で待ち合わせしていた。ほんとは一緒に帰りかったんだよ。 日が落ちて辺りが薄暗くなっても君は来てくれなかった。 君の家にも行ったけど、人の気配はなく電気の明かりも点くことは無かった。 本当に君が居なくなったんだっていう実感が湧いてきた。どうしていいかわからない。君が居なくなるなんて考えたこともなかった。 涙が込み上げてきた。君の両親の仕事も何も知らないことに気づいた。一緒に居るのが当たり前すぎて君の事、君の周りの事知らなかったんだね。 小学生の私には、君を探す方法も探し方もわからなかった。君を探すことはできなかった。
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