待つ~ドラフト指名~

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 今年こそはと期待していた、運命のプロ野球ドラフト会議。しかし、今年も指名されることはなかった……。  万全に万全を期し、昨年以上、いや、自分史上最高の仕上がりだったにも関わらずだ。  大谷翔平選手が、日本でもアメリカでも、投打において大活躍する昨今、何かと二刀流という言葉がクローズアップされる。  しかし、まだ、世間の人たちはおろか、プロのスカウト陣も、私が何刀流の活躍をできるのか知らないようだ。  私は、内外野どこでも守れるし、キャッチャーもできる。  打つ方では、右でも左でも打てる。  敬遠されても、手が届きそうな失投が来たら、スタンドへ運んでしまう自信もある。  とにかく、塁に出りゃ~、余裕で盗塁を決める自信もある! バッチリ、走っちゃうよ~!  山田哲人選手や柳田悠岐選手のように、3割30本30盗塁のトリプルスリーだって、充分に狙えるんだ!    投げる方では、大谷翔平選手が、時速160km/hのストレートを投げれば、豪速球だと話題になる。    しかし、私なら、右投げで時速170km/h、左投げでも時速170km/h、合わせて340km/hのストレートだ!  新幹線とドッコイドッコイか、ちょっと速いぐらいだ!  せっかく、甲子園出場の経験もなければ、野球経験すらないので、肘・肩・腰・膝等々の消耗もないってもんだ!  つまり、選手寿命だって長いのだ!  高校を卒業して、ドラフト指名を待つこと、70年!  米寿(べいじゅ)(88歳)を迎えるまで70年間、バッチリとイメージトレーニングを積み重ねて来た!  70年もイメージトレーニングで鍛え上げて、プロに挑んだ奴はいないだろう。  今、最高のイメージを維持しているというのに、日本のプロ野球界は、なぜ、私を指名するのに躊躇(ちゅうちょ)しているのだろう?!  米寿を期に、米球界からのオファーを待つしかないのか?  『(べい)』で『寿(ことぶき)』な訳だから、私は米国で花開くのかもしれない。  漢字で書きゃ~、『八十八』。『八』は、末広がりだし、『末広がり (プラス) 末広がり』と、読めなくもない! 男の中の男みたいに、『末広がりの中の末広がり』だから、プロで活躍できる将来性抜群な年齢だ!  70年間、イメージトレーニングでみっちり鍛え上げた脳内イメージを、あとは、プロの監督・コーチ陣が、そのイメージ通りに動けるように、育ててくれりゃ~いいだけなのに!
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