彼の向こうに彼を見る

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 あっという間に、躰はベッドの上にあった。 「滉君!」  抗う両手はいとも簡単に払われ、服が剥ぎ取られる。 「いやっ」  美夕をベッドに押し倒して暴れる細い手を片手で掴んだ滉は、ブラジャーを押し上げて乳房を露わにした。 「美夕」  ゾクリとするくらいの色を含んだ甘い声に肌が敏感になる。 ぼやける視界に、滉の口角を上げた笑みが映っていた。 「お前、本気で嫌がってないだろ」
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