彼の向こうに彼を見る

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 時折外から差し込む光が、彫りの深い滉の顔に陰影を作っていた。 その影が、芳香を生む。  まともに見れば、逃げられなくなる。 美夕は顔を背けた。 「んはんんっ」  乳首を転がす舌と、内腿を伝う指が痺れを誘う。 この指が突端に到達したら。 「こうくん、だめ……っ」  滉の手を止めようと、美夕は掴まれていない方の手を伸ばしたが。 「あっ」
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