忘れられない殺人

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 もう数十年も前、私の国は戦争をしていた。そして私は航空戦闘機の操縦士だった。  プロペラのついた緑色の戦闘機の操縦席に座り、敵と銃撃戦をしたり前線へ物資を届けたりする生活だった。  私と同年齢の仲間の訃報を毎日聞いた。戦死は誰にでも起こりうることだったが聞くたびに胸が痛んだ。    その中で、最も忘れられない戦死があった。  私が、最後に殺した人の話だ。
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