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「…?」
それが何を意味しているのか、雑音で飛び飛びの声を頭の中で補完する。
ザザ、と機械音が混じる中でその声は確かにのびやかにつながっている。
たぶん、歌だ。
子守歌だろうか?一つの声の音がゆっくりと穏やかに続いている。聞こえにくいがとても安らげる歌だった。
私は先ほどまで感じていた肩のこわばりがすっと解けた。自分でも気づかぬうちにずっと緊張していた。それが今なくなった。なにも恐れなくていい。そう言われているようで、急に眠気がやってきた。
薄れゆく意識の中で、なんとか伝えなくてはいけない一言だけは口にした。
「…ありがとう…」
それにしても聞き慣れない言葉だ。彼の故郷はどこだったのか、朝になったら訊いてみようと思った。
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