侍ち時間

3/13
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
寺娘に注意されるも頑なな態度の俺に業を煮やし、 さっきの娘は奥へと引っ込んだ。 「四郎、必ずお前の敵は討つぞ」 俺は持参した木刀を袋から抜き出す。 「あっ、まだ居る!兄さんこの人!」 娘が戻って来た。 其ほどにも寺の境内で座り混んでいるのが迷惑なのだろうか、 「フォトジェニック!!!」 「うおおおっ!?」 ショッキングピンクの袈裟を来た坊主が登場、 現れるや否や、手持ちのスマートフォンで突如俺をフラッシュ撮影して来たではないか! 「アタシの名は宝塔寺餌尼空(ほうとうじえにくう) このお寺の住職よ、よろしくねぇぇ」 「うげあ!」 目の周りには紫がかったアイラインと頬にはピンクのチーク、 けばけばしいメイクをしているが 見るからに男性である。 しかも頭はスキンヘッドではなく、登頂部にかけて黄色いツンツンのモヒカンヘアーだ!
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!