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空からの励まし
今日の会社ダメだろうな。
今日行ってきた面接を思い返して落ち込む。足元のだいぶ足に馴染んだ革靴を見ながら、はぁとため息がこぼれる。
周りの友達は、みんな内定を複数もらっていて、俺は一社も内定をもらえていない。そんな俺を友達は腫れ物のように扱う。それは、あいつらなりの気遣いだろうが、さらに心が重くなる。
何で俺は内定もらえなくて、あいつらはもらえるんだよ。何で、同じように過ごしてきたのにこうも違うんだよ。何で俺だけがこんなに苦労してんだよ。
自分だけおいていかれるようで、自分だけ必要ないと言われているようで、どろどろと不安や嫉妬、焦りのような感情が混ざりあって溢れ出してくる。
「これ以上どうすりゃいいんだよ…。」
ポツリとそんな呟きがこぼれる。
そのままうつむいて家に着いた。1人暮らしのワンルームだ。玄関に入り、靴を脱ぐ。その時、玄関に飾っている絵が目に入った。雲ひとつない真っ青な空の絵だ。いつも見ているはずのそのA4サイズほどの絵に目を奪われた。
俺は、いつから空を見上げていないんだろう。ふと、そんな思いがよぎる。最近は、うつむいるばかりで空を見上げるなんて余裕はなかった。
それほど、自分が追い詰められているということに、今、気づかされた。
そりゃ、余裕ない顔してたら、貰える内定も貰えないかもな…
そう、心のなかで自分をかえりみた。
明日は、明日の面接は、行く前に空でも見上げて見るか…明日の天気予報は快晴、あの絵のように雲ひとつない真っ青な空を見ることができるかもしれない。その空から、少し、勇気を分けてもらうことにしよう。
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