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相手はこちらが装填中だと思わせ油断させる。しかし、それをフェイントにすれば、こちらが先手を加えることが出来る。
「お望み通り、ナイフで勝負してやるわよ!」
即座に腰から取り出したのは予備の弾倉マガジンではなく横にあったナイフ。それを男の心臓へと一直線に突く。
終わった――。
勝利は見えていたはずだ。
だが、すぐにそれを裏切られた。
「あ、あれ……いない!?」
そこには確かにナイフを突いたはずの男の姿が消えていた。
横に目だけを向けても、その姿はない。
ひやりとした汗が少女の背中を伝わる。
前にも横にもない。ならば、その答えは……。
「おしいな」
男の声が後ろからした。
少女は振り向くことなく、何かを切ったような音がした瞬間、その場に倒れこむ。
「う、嘘だ…」
何が起こったのか分からない。
混乱のまま、彼女の視界が暗くなっていく――。
次に明るくなった時、少女の前にあった画面にはLOSEという文字が大きく映し出されていた。
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