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動くことを許されないこの身体。
動かすことを許されないこの手足。
『人形』である私は、それでも願い続ける――私達を造ってくれた主様の、あの笑みを、何度でも、いつまでも見たいのだと。
だからこそ、そのお身体を治す為の『チリョウ』を受けて、いつまでも私達にその優しい声をかけていただきたいのだと。
なのに……何故……?
何故貴方様はそこまでして『チリョウ』をお受けにならないのですか?
今、私達の妹を造っているその状態でも、お苦しいのでしょう?
なのに、何故……そこまでして、貴方様は――
「――ん? 今、誰かの声が聴こえたような……」
――ッ!
主様が! 私の声を――想いをお聴きになってくださったッ!
この奇跡を、私は逃さない――ッ!
だから私は主様に必死にこの想いを伝える。
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