プロローグ

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 窓の外から見える公園の樹木が赤や黄色に彩られ、オフィスの中からも秋の気配を感じる。  室内には乾燥した空気で喉を痛めないようにと加湿器と空気清浄機がちょっぴり自己主張し合うようにシューッと音を出しあっている。 「ここへ来たってことは外国人の恋人が欲しいからなんでしょ。耳の穴よーくほじくってしっかり聞くのよ」 「は、はい」 「男は男ってこと」 「えっ? どういうことでしょうか」 「馬鹿ね、あなた。国際恋愛だろうと男の中身はそう変わらないってことよ。外国人ったって同じ人間。彼らが特別なわけじゃないわ。外国人でもゲスなやつもたくさんいるのよ。素敵な恋人が欲しかったらまずは自分磨きをしなきゃダメ。そう、まずは自分磨きよ」  
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