陥溺

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角度を変えながら、何度も口付け、貪り合う。 乱れる呼吸と、淫らな仕草。 そして桜子の、甘い香り。 全てが俺を狂わせ、これまでの自制心が嘘であったかの様に、壊されていくのを感じた。 離した唇と唇を、透明な体液が橋のように結ぶ。 そしてそれはやがて、プツンと途切れた。 「好きだよ、ホント。  どうしようもないくらい。」 嘘偽りのない言葉。 なのにコイツはニヤッと笑い、またしても『知ってる』と答えた。 「ううん、知らないと思うよ。  桜子が思うよりも、ずっと好きだから。  ...それを今から全部、教えてやるよ。」 荒々しくならないようにしようと思うのに、抑えきれない程の欲望が、それを許してはくれない。 少し乱暴に彼女を腹這いの状態にさせ、背後からのし掛かるみたいにして、胸を好き放題に捏ね回し、引っ掻き、摘まむ。 すると桜子は、そういった行為は初めてのはずなのに、小さな...でも卑猥な喘ぎ声をあげた。 「可愛い...。その声、もっと聞かせて。」 俺の言葉を聞き、桜子は激しく左右に首を振った。 でもやはり声を抑える事は出来ないのか、控え目ながらも艶めかしい嬌声をあげ続ける。 そのまま膝をついて四つん這いの状態にさせ、下着をそっと脱がせると、まだ下半身には触れてもいないのに、彼女の太股を愛液が伝い、シーツにシミを作った。 小柄で細身な彼女を自由に扱うのは、なんだか子供に悪い事をしているような、そんな感覚に襲われた。 勿論彼女は大人で、俺よりも三つも歳上だと言うのに。 「もう、ヌルヌルじゃん。  ...桜子も、期待してた?」 クスクスと笑いながら、言葉でなぶる。 「はぁ...?馬鹿じゃないの?」 真っ赤な顔で呼吸を乱したまま、桜子は言った。 「馬鹿でも、いいよ。  ...桜子も、俺としたい?」 耳に舌を這わせ、囁く。 背後から覆い被さる様に抱き締め、答えない桜子を責めるみたいにして、ピチャピチャとわざと水音を立て、そのまま舐め続ける。 そしてそのまま彼女の体の中心にある、真珠の様に愛らしい肉の芽に優しく触れると、桜子は背中をまるで弓みたいに反らせ、一際大きな声で鳴いた。
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