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ペチャペチャと舐め合う音と、はぁはぁと、荒い息遣い。
そして桜子の厚い唇から溢れる、可愛らしくも淫らな喘ぎ声。
その全てが二人を狂わせ、溺れさせていく。
これまで欠けていた半身を求め合うかの様に、その行為は激しさを増していく。
その熱が最高潮に達し、二人が肉体的にも、気持ち的にも限界を迎えたのを感じたので、俺は体を起こし、彼女の上に優しく圧し掛かった。
「桜子...、挿れるよ。」
頬に触れ、額に口付けた。
すると桜子は、俺の事を軽く睨み、言った。
「...痛くしたら、許さない。」
「そこは...うん、善処します。」
顔を見合わせ、ほぼ同時に吹き出した。
そのままどちらからともなく、唇を重ねる。
彼女が俺の首筋に、そっと腕を回す。
桜子の膝裏を掴み、脚を開かせて、少しでも痛みを与えずに済むよう、ゆっくり腰を進めて彼女の中に侵入していく。
「...痛い?」
俺の問いに、ぎゅっと目を閉じて、彼女は大丈夫だと答えた。
間違いなく痛みを伴っているだろうに、その健気な姿がとても愛しくて。
再び、唇を奪った。
二人が繋がっている場所の少し上にある、桜子の敏感なところに触れると、彼女はまた甘い吐息を漏らした。
そしてそこを何度も撫で上げ、転がすと、彼女の中は俺を優しく締め付けた。
痛みの為だけではなく、快楽に震える姿に、俺の体も昂り、乱暴に突きたい衝動に駆られる。
でもやはり彼女の事が、とても大切で。
....優しく、ゆっくり奥へ、奥へと入り込んでいく。
そして最奥へ到達した為、それを桜子に伝えた。
すると彼女は幸せそうに微笑み、キスをしてくれた。
その瞬間、全身がカッと熱くなるのを感じ、思わず顔を背けた。
軽く深呼吸して、もう一度彼女の事を見下ろすと。
...桜子の表情は、いつもの意地の悪い笑顔へと戻っていたけれど。
まだ少し、痛い筈なのに。
彼女はくくっ、と笑い、言った。
「悟は本当に、私の事が好きだよね。」
本当に、なんて性質の悪い女だろう。
...でもやっぱり俺はこいつしか愛せないのだと、改めて思い知らされた。
「うん、そうだな。相思相愛だもんな。」
にっこりと笑い、キスを返す。
すると天の邪鬼な彼女は、またしても暴言を吐いた。
「はぁ...?調子に乗んな、馬鹿じゃないの?」
でもそう言った桜子の顔は、真っ赤に染まっていて。
その表情は、俺の事が大好きだと物語っていた。
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