告白

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前回の、帰省時。 夕飯後、昔みたいに家族でだらだらとテレビを観たり、懐かしいアルバムを広げて想い出に浸ったりして過ごした。 何となく解散の流れになると、俺は桜子の部屋を訪れた。 ドアをノックすると、少し不安げな表情で、桜子が顔を覗かせた。 「ちょっとだけ、いい?」 俺が聞くと、桜子は小さく頷き、ドアを開けた。 「...何?」 そう聞いた桜子は、明らかに何かに怯えている様子だった。 でももう、決めていたから。 ...いつもみたいに、逃がしてなんかやらないって。 「この前泊まりに来た時の、事なんだけど。」 俺は、すぐに本題を切り出した。 桜子の肩が、ビクリと震えた。 ...彼女が泊まりに来た際、これまで抑えてきた想いを全て伝え、俺は桜子を押し倒した。 結局彼女を傷付ける事が。 ...そして彼女を失う事が恐くて、キスすらも出来ず、冗談だという事にして誤魔化したけれど。 でもそんなのももう、本当に限界だった。 「あれさ、やっぱり冗談なんかに出来ないから。」 視線をそらすこと無く、告げた。 桜子は泣きそうな顔で、俺を見上げた。 「俺は桜子の事、姉ちゃんだと思った事、一度もないから。 ...ずっと、好きだったんだ。」 桜子は泣きながら、小さな子が駄々をこねるみたいに、耳を両手で塞ぎ、左右に頭を振った。 俺はその手を掴み、耳から離させると、そのまま泣きじゃくる桜子を抱き締め、続けた。 「...桜子は、何にそんなに怯えてるの?  俺の事が嫌いだから、って言うなら、諦める。  ...でも、そうじゃないだろ?」 桜子は何も言わず、泣きながら俺にしがみつくみたいにして、抱き付いた。 「ごめんね、悟。  ...本当に、ごめんなさい。」 俺は無言のまま桜子の頭を撫で、彼女の言葉を待った。 「好きって言ったら、姉弟で居られなくなる。  ...男と女の関係は、いつか終わるの。  お母さんと、私の本当のお父さんみたいに。  ...あんな風にいがみ合って終わりを迎えるくらいなら、今のままがいい。」
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