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次の日、朝の目覚ましと同時にスマホが鳴る。画面を見ると桜士勇輝の事“おーじ”からの電話だ。そう言えば、あの後帰りに電話とラインを教えあって、帰ったんだ。 「はい」 「おはよう。ひめ」 「おはよう。で?要件は?」 要件がなければ切る。支度をしないとダメなのに… こいつは、朝から目覚めが悪い事をする。 「好きな食べ物と嫌いな食べ物は?」 「なに?どうして聞くの?」 「良いから教えて」 これは、言わないと話が終わらない。こいつに好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えて何のメリットがあるのだろうか? 寧ろ私にとってデメリットしかない。いや、そんな事を考える場合ではない。この男おーじと私は、表面上だけ付き合ったと言う設定だ。 設定なだけに設定通りにしないと怪しませるということか。 「チーズと野菜全般が好き。嫌いなのは、甘いものと魚」 「ありがとう。あと、弁当は、持って来ないでね。じゃあねー」 そう言って、電話を切られた。弁当を待ってくるなと言われると持ってきてしまいそうだな。しかしあっさりした電話だ。 「支度…やろう」
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