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「桜士…こほん。おーじ、いい加減に離して。離さないとあんたをそのままおんぶするから」 「解った。離すよ」 流石にこいつでもおんぶされるのは、嫌なのだろう。そんな、戒めみたいな恥ずかしい行動をした彼に仕返しをやろうではないか。 そうだな。よし。私は、振り向き顔を近づけて 「それともお姫様抱っこが良かった?あんたの体重と身長なら私でも出来るけど、試しにやってみる?」 「やだ、イケメン」 顔を赤らめて、恥ずかしそうにおーじは、そう言った。やだ、何この可愛い子…ってこれは、逆効果だ。いや、寧ろ、ワタシオンナラシクナイ。 「どうして、付き合う事になったの?」 振り向くとまたあの女の子だ。流石に3回絡まれると顔も覚える。確かこの子の名前は、(シラ)(ユキ)りんごだったな。 白雪さんの質問。どうしてと言われると本来の私たちの目的は、女らしく、男らしくなるためという理由を言えるわけがない。 「昨日、感性が同一した事で、好意が湧いたからよ」 「夢野さんって…」 私がなんだろ?彼女の言葉の最後が聞き取り難かったけど…あれは、わざとだろう。するとチャイムがなり私は、何も思わないふりをして、席へついた。 「ひめ、弁当を持ってきていないよね?」 「ええ。言われた通りに持ってきてない。どうして?」 「今日の昼は、屋上で一緒に僕が作った美味しい、美味しい手作り弁当を食べようね」 そう言って彼もまた席へ着いた。
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