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お昼時間になり私とおーじは、屋上へ向かいおーじは、持っていた手提げ鞄からゴザを敷いて、そこへ正座で座った。
「さあ。こっちへ座って」
「はいはい」
私が座るのを見ておーじは、ウキウキで弁当を2つ取り出して、開けるように言った。毒でも入ってないだろうか?
「早く、早く」
「解ったから落ち着いて」
うざいと思いながら弁当の蓋をあけると、色とりどりに可愛く飾られ、あの子供に人気な黄色いネズミのキャラクターを模様した弁当。世に言う“キャラ弁”だ。
「ありがとう」
「こ言うの嫌い?」
「嫌いではないけど…」
これって、本来私がするべき事なのでは?でも美味しいそうだし、私が作れって言われたら無理だろ。
「良かった。どう?美味しい?」
微笑みながらそう言った。しかしその笑顔は、ずるい。そして、この弁当美味しい。
昨日のミスはしない。けどだめだ。美味しいから笑顔になってしまう。平常心。平常心。
「普通」
「美味しいだね?」
「普通」
「嘘だよね?」
「普通」
「じゃあ今度は、ひめが作ってきてよ」
「無理」
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