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彼は、クレープを食べ終わり私を見てこう言った。 「僕が君を女らしくするように、君は、僕を男らしくしてくれないかい?」 「あんたを男らしく?」 どうやら彼の話によると、運動音痴で甘党。趣味が料理らしく男の娘と言われるような分類に入るのが嫌らしい。 私が、イケメンな女と言われると同時に彼は、彼なりに嫌で、あそこで隠れて息抜きをしていた。 そこに私が、現れたという訳だ。 「なら、私のことが好きって事は嘘なの?」 「本当だよ。君は、覚えていないだろうけど、君にとって当たり前だろうけど、君は、僕を助けてくれた事があって、その時からずっと好きなんだよ」 そう、面と向かって再び言われると少し恥ずかしいだけどな。 私が、彼を男らしくする。そして彼は、私を女らしくする。 「でも昨日のあれと朝のあれは、間違っている」 「ごめん。精一杯やったんだけどな」 「解った。私が、あんたを男にしてみせる」 私は、立ち上がり桜士勇輝を見下ろすようにそう言った。
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