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次の日、私は、昨日買ったプレゼントをカバンに詰め待ち合わせ場所へと向かった。しかしそこには、まだ砂浜乱風もおーじも来ていない。私は、あたりを見て近くのベンチに座る事にした。 何故、砂浜乱風は、素直に誕生日会だと言わなかったのだろうか?そして、友達でも無くただの知り合い程度の私と知り合いでも無い赤の他人のおーじを誘ったのだろう? しかし、彼のことを考えれば考えるほど、謎だが、解ることは、1つだけある。 彼には、友達という友達が居ないという事だ。 誰にも優しいく、誰にも甘いく、どんな人でも手を差し出す人だが、誰も彼が困っていても手を出してくれる人はいない。 彼は、天才であって、お金持ち。だから、疎ましく羨ましいく感じるのだろう。 私とおーじと同じように彼もまた本当の彼を知る人は、誰もいないのだ。 「やめてください」 そう声が聞こえる。あたりを見ると、男性数人と1人の女性がいた。その女性は、私が知っている人物“白雪りんご”がいた。可愛い服を着て、オシャレまでしている。学校の制服とは、違う意味の可愛いさが彼女を着飾るように私は、見えた。 そして、どうやら彼女は、ナンパという古典的なものをしている男性に付きまとわれているようだ。 ここは、助けないと面倒な事になりそうだ。私は、立ち上がり、白雪りんごの肩を握った。 「おまたせ。行こ?」 「え?ちょ」 白雪りんごは、戸惑った顔で私を見る。私は、ニッコリ微笑み男性をみた。 「君もその子の友達なのか?」 「だったら何?」 「一緒に遊ぼうぜ」 「お断り」 「いいじゃないか?女の子同士で遊ぶより楽しいぜ」 そう言って、男性は、立ちさそうとした私の肩を握った瞬間に反射的に私は、思わず背負い投げをしてしまった。
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