『ペンギン』

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ある日電車から降りて家への帰り道を歩いていた時、ペンギンに出会った。 おっ、ペンギン、こんな時間に会うのは初めてだな。 ペンギンは道端で立ち止まり、スマホをいじっていた。 いや、ペンギンじゃない、ペンギンを背負った彼女が、だ。 女子高生だからな。 彼氏とやり取りでもしてるのかな…… 彼女はスマホで写真を撮っているようだった。 それは とても綺麗な夕焼けの写真だった────── いつも下ばっかり見て歩いてる俺には全然気付けなかった。 この道から見える夕焼けってこんなに綺麗なんだ…… 何枚か写真を撮り満足気に微笑むと、彼女は去っていった。 ─────パチリ。 俺もスマホを取り出し写真を撮った。 あれ…これちょっとストーカーっぽい? 違うよな、夕焼け撮っただけだし。 夕焼けはみんなのものだし……
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