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ベンギンきた──────っ!!
そこには綺麗になったペンギンがいた。
そっか、お前洗われていたのか。
顔真っ白になったな。
お腹のほころびも縫ってもらったんだな……
綺麗になって良かった…本当に良かったな。
わかってる。今の俺は変だ。
だって泣きそうになってるもん。
娘の結婚式で花嫁姿を見た親父の心境だ。
いや、わかってるって。俺が変なのわっ!
目が会ってしまった。
ペンギン、じゃなくて彼女と……
あれ、俺の変さだだ漏れだったのかな。
ど、どうしよう……
「ぺ、ペンギン好きなの?」
彼女の視線に耐えきれず話しかけてしまった。
目の大きな子だ。
唇がぽてっとしている。
「タコが好きです。」
なぜだっ?!
じゃあなぜペンギンを背負っている!!
はははっと曖昧な返しをしてその場は終わった。
突然変なサラリーマンから話しかけられたのに答えてくれたんだ。
きっといい子なんだろう。
今日も俺は心の中で話しかける。
おはよっ。
ペンギンを背負った、彼女に──────……
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