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写るんです
A:「おー寒っ」
誰が聞いているというわけでもないのに声が漏れる。息が白く上って消える。
しばらく雪が降っていたようで辺りには薄く積もった白の地面に葉をすっかり落とした木が上に枝を伸ばし,重たい空を支えていた.今日は落し物を拾ってくれたという理由で、部活動にさそわれたが,いまいちさそわれた意味が分からないし,いつもつるんでいる友人から、それぜってーお前に気があるって、と持ち上げられたからといった理由で行くのであまり気乗りはしない.
B:「あっ…」
ペコッと小さく首を振った。
A:「・・・こんにちは」
彼女は少し小柄なからだに黒のセーターに深緑のコートを羽織って,首にあったかそうな白いマフラーを巻いている。それとは対照的に、カメラを構えている手にはなにも付けておらずほっそりした指の先が少し赤く痛々しかった.
そのまま数十秒間,ただ彼女のカメラのシャッター音だけが響いた.流石に気まずい.
A:「なんの写真とってんの」
B:「・・・雪、ですかね」
好きな食べ物とか好きな曜日,そんなプロフ帳の空白を埋めていくような感じで僕と彼女はぽつぽつと喋っていた.そんななかで、
A:「なんで写真部にはいったの?」
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