Prologue 夢想の星模様

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「そうなのっ!?」  わたしの知らなかったことを次々と教えてくれるおねーさんの話をわたしはもっと聞きたかった。 「あはは、じゃあ、私からも教えてほしいことがあるんだ」  そういうと、おねーさんはわたしのことをじっと見つめて、唇を動かした。 「君の名前は、なんて言うのかな?」  ん? と首をかしげそうになったけれど、そういえばまだ、わたしはおねーさんに自分の名前を教えていないことに気がついた。  初めて会う人にはちゃんと自己紹介をしなさいと、お父さんやお母さんに言われていたのに、すっかり忘れていた。 「えっと、ひとみ! 天音瞳って言います!」  学校で初めてクラスのみんなにするように、わたしは大きな声で自己紹介をする。  今から思えば、山奥のキャンプ場で大声を出したら怒られそうなものだけれど、幸い、この敷地にテントを構えているのはおねーさんだけだったので、わたしが他の人たちに迷惑をかけることはなかった。  今、ここにいるのはわたしとおねーさん。  そして、今宵の空を彩る星たちだけだ。 「なるほど、天音さんところの子供だったのかー。道理でどうりで」 「?」     
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