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「ははっ、仲良くなる、か。瞳ちゃんは本当に面白い発想をするね」
わたしの発言は、学校のみんなに伝わらないことが多いのだけど、おねーさんにはちゃんと伝わったようで安心した。
「じゃあ、天体観測をやってみようか」
おねーさんは手を伸ばして、わたしの頭を優しく撫でてくれる。なんだか誉められたみたいで嬉しかった。
「こうやって、ここから除いてあげると星がよく見えるの」
おねーさんはゆっくりと立ち上がって、望遠鏡のレンズが覗ける位置にまで移動する。
わたしの背の高さじゃ届かないのが分かったのか、おねーさんはわたしの身体を軽々と持ち上げてレンズが見える高さまで掲げてくれた。
なんだが、ずっと昔にお父さんに抱っこされたことをちょっとだけ思い出したけれど、すぐに別の感情がわたしの身体を駆け巡った。
レンズの奥に広がる神秘的な景色は、幼いわたしを魅了した。
「ここで見えるものが、お星さまなの?」
小さくて輝いていた星が、とても大きな球体に変化していた。
「そうだよ、星の光ってとても小さく見えるんだけど、地球くらいの大きさや、もっと大きいものもあったり、小さかったりする。そしてとても遠い場所で輝いていても、わたしたちの目に届くくらい、輝いているんだよ」
「どれくらい遠いの?」
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