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「とてもとても……、私や瞳ちゃんがどんなに追いかけても、たどり着けない場所だよ」
でもね、とおねーさんは最後にわたしにこう告げた。
「寂しくなったり、悲しくなったときに空を見上げたら、沢山の星たちがいることを思い出して。そうしたら、一人じゃないって分かるから」
おねーさんはゆっくりとわたしの身体を下ろして、わたしにそう告げた。
おねーさんの声は、なにかを誤魔化そうとしているような感じがしたのは、わたしの気のせいかもしれない。
でも、どうしてもわたしはおねーさんに確認したいことができてしまった。
「おねーさんは、悲しいからここで星を見ていたの?」
振り返って見たおねーさんの顔は、そんな質問は予想していなかったというように、目を見開いていた。
「わたしは、沢山のお星さまを見れて楽しかったよ。だから、楽しいときもお星さまを見ることにする!」
おねーさんとお喋りしたことも、わたしの知らないお星さまのお話と、とても楽しかった。
だから、またわたしが空を見上げるときは、今日のように誰かと楽しい気持ちでいたい。
「はっ、はは。これは瞳ちゃんの方が上手だったみたいだね」
優しく微笑むおねーさんは、月明かりに照らされてとても綺麗なお姫様が現れたように見えた。
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