第五章 フェワー

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私はジーっとルアの背中を見つめた。少し小柄だけど力強い、そんな背中を不思議に思う。私はまたまわりを見渡した。 やっぱり、どこかで見たことある。私はルアにそのことを質問しようとしたが、やっぱりやめることにした。 今は静かにいた方がいいかも。 たとえ飲み物に毒を入れなくたって、一緒に笑いあったって、警戒をといちゃだめ。油断させといてってこともあるし...。 ああ、でも今はルアにすがるしかないんだ。だってここは私が住んでる地球とは全く違う世界なんだから。 そう思うと、また恐怖心がよみがえる。階段の時みたいに...。逆に、今まで感じなかった方がおかしかった。 だけど、不思議と『夢じゃない?』って思わない。懐かしいという感情が私をそうさせるの?それとも...。 でも、夢であってほしい。それは変わらない。 早く家に帰りたいな。 家に帰って、荷物を置いて、手を洗って、リビングに行って、その日のご飯は何かなって楽しみにしながら、お母さんにただいまって言う。そしたら..... 目がうるっとする。唇を噛みしめ、上を向く。 ここが何処かなんてどうでもいい。夢だとしたら覚めてほしい。あんなに普通の毎日を嫌ってたのに...いざとなるとこんなにも不安になるんだな。 私はルアの方を向いた。ルアはちょうど片付けが終わったみたいで、振り向いた彼女と目が合った。 ルアは静かに微笑んだ。微笑んだ彼女はどことなく、悲しそうだった。
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