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「ッ、お、おま……っ」
枕に凭れるようにして上体を起こしていた田波が、情けなくベッドにぱたと倒れる。格好はさながらおむつを替えられる赤ん坊で、赤みの引いていた頬がさっと朱に染まった。
「言ったじゃん。ローションないから代わりにって」
「いや、だからって。んッ、そんな急にするかよっ」
「あんたみたいに慣れてないから加減知らねえもん。悪かったな」
「はぁ? 俺だって別に慣れてるわけじゃ……ッ、あ」
ぐちっと粘る音で眼前に晒されたそこに触れていた史の指が、ほんの少し、力を込める。粘液を纏う指先が柔い肉を掻き分ける感覚に、田波の足が震えた。
「そのわりには、簡単に入るじゃん」
「っ、せぇな……ぁ、ん。俺のおかげじゃね、ンっ」
飲み込まれるように入っていく指に伝わる熱が、田波の四肢を震わせ、史の呼吸を荒くする。
甘えるように指に纏う粘膜の感覚は魅力的で、思考を奪われていくような恐怖感を伴うけれど。
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