不器用に【*】

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「……なぁ、コレ入んの?」 「ふ、あんならやめとけば、ぁ……っ、」 「……最悪、無理やり押し込むからいい」 「色気ねえ、の」  何とも知れない体液で体を濡らし、誰がいつ来るかも分からない場所で素肌を晒しているくせに、田波の態度は一貫して変わらない。  主導権は史の手にあるはずなのに、腰や腹をくねらせる田波に全部持っていかれたようで、悔しい。 「……これ、何本入ったらいいの?」  ぐちぐちと指先で開いたそこに2本3本と指を挿し入れ、びくっと震える内腿を手のひらと唇で宥める。  ただ唇を噛む田波の様子からはなんの情報も読み取れず、史はつい、頬を紅潮させる本人に問いかけた。  ぎゅうっとシーツを握る田波からの返事はない。 「……センセ?」 「っ、……、ん。ぁ、なに、なんて?」  覗き込んだ瞳が虚ろに潤み、史を見つけてはたと色を戻す。とろ、と口端から唾液を溢れさせる田波に、史は知らず、喉を鳴らした。  いつの間に、こんなに蕩けていたのだろう。
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