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肌を打つ音や体液の絡む音に混じるそれは目眩がするほど艶やかで、遠く聞こえる部活に勤しむ声が、史や田波の背徳感を煽りに煽る。
「……は、さすがに声、やばくない?」
「ぅ、ん、んんっ……!!」
安っぽいベッドがキシキシ揺れて、皺が後になりそうなほど強く縋る田波が唇を噛んで眉根を寄せる。シーツに散る黒髪を覆うように身を屈めた史は、律動に合わせて揺れるピアスを唇で引っ張った。
「っぁ、あぁ、ん、そ、れやば……ァ」
「だから声まずいって」
「むり、むりむり、っあ……!」
カチカチ歯に当たって揺れるピアスに翻弄され、田波が駄々をこねる子供みたいに愚図る。
史よりも年上で、クビも怖くないなんて言っていた男と同一人物だなんて到底思えない。
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