【第30話:いっタイ誰デスカ】

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【第30話:いっタイ誰デスカ】

「「コウガ!? なぜあなたが!?」」  リリーとルルーが双子らしく声をハモらせて驚いている。うん。正直オレも驚いている。  それにしても不自然にまで徹底していた「……にゃ(語尾)」を付けないで話す二人は新鮮だ。 「へ~、語尾に『……にゃ』付けないで話す事もあるんだな?」 「「な!? 何のことですか? ……にゃ」」  何か「淑女の嗜みが」とか呟いているのが気になるが、どうも魔獣(敵さん)は待ってくれないようだ。 「黒闇穿天(こくあんせんてん)流槍術(りゅうそうじゅつ)、【雷鳴(らいめい)】!」  雷槍『ヴァジュランダ』で放つ【雷鳴(らいめい)】は、その名の如く(いかづち)と化してゲルロス(犬の魔獣)を襲う。 「ギガガガガァ!?」  こちらに迫ろうと駆け出した所でカウンター気味に【雷鳴(らいめい)】を喰らったゲルロス(犬の魔獣)は、10mほど吹っ飛ぶばされて穿たれた肩から血を流し、倒れて痺れに苦しんでいる。 「アシッドワイバーンでも貫通したのに頑丈なゲルロス(犬の魔獣)だな」  オレがそう呟くと目を見開いてリリーとルルーが固まっているのに気づく。     
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