【第3話:大変そうだ】

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 しかし、ドラゴンというものは数年に一度、どこどこの国で現れたとかの噂を聞く程度の遭遇率だ。  長く冒険者生活をしていた両親でも一度しかあったことがないそうだ。  そう。自ら危険地帯に何度も赴いているA級冒険者の両親でもだ。  そもそもドラゴンと戦って勝負になるのは、バランスの良いA級冒険者パーティーかららしいので、そんな簡単に会えたら困るのだが。 「凄いギフトだから母さん本当に嬉しいんだけど、そのギフトを有効に使おうと思ったら最低でも母さんと同じA級冒険者ぐらいにならないといけないわ」  ちなみに父親はドラゴンでは無い他の上級魔物との戦いで受けた傷が原因で、オレが生まれる前に亡くなっている。  この世界では当たり前の話だが、冒険者は凄く危険な職業だ。  冒険者ランクはEから始まり、D、C、B、A、Sと上がっていくほど報酬も破格となり、S級になれば貴族特権まで与えられるそうだが、大半の冒険者はC級までで冒険者人生を終える。  それに、成り立ての冒険者の死亡率はとんでもなく高く、一年後に無事に続けているものは半数もいないそうだ。 「そ、そうか……ドラゴンテイマーだと喜んでいたけど、その道のりは凄く大変そうだね……」     
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