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≪このままではそうなる。だから主よ。ちょっと先に行ってきなさい。我は転移の浮遊感が嫌いなのだ≫
「へ?」
とっても嫌な予感がする。
「先にって……うぁぁぁぁぁぁ!?」
オレの問いかけは最後まで言わせてもらえず、足元に現れた魔法陣に落ちるように吸い込まれる。
落ちていくような気持ち悪い浮遊感の中、「コウガ恰好よかったよね~」とか「一目惚れだったじゃない」とか話してるリリーとルルーの映像が見えてくる。
その映像は瞬く間に近づいてきて、気が付けばさっきまで見ていたその映像の中にオレは立っていた。
そして視界を埋め尽くす赤い炎。
「え? 赤? 炎!!??」
オレは声にならない悲鳴をあげながら、大慌てで雷槍『ヴァジュランダ』で炎を切り裂いた。
本気で危なかった……人は炎に包まれたら焼け死ぬっていう一般常識を叩き込まなければと思いつつも、2人にとりあえず言っておこう。
「さっきみたいな会話は本人のいない所でやってくれよ。登場しにくいじゃないか……」
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