【第2話:秘密じゃない秘密の遊び場】

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 ちなみに女神様のイタズラなのか、前世で苗字だった「紅雅」が今世では名前として「コウガ」と名付けられていた。  若干思うところはあるが、前世でも下の名前で呼ぶのは早くに亡くなった両親だけだったので、コウガと呼ばれる事自体はしっくりくる。  そんな事を考えていると扉が開いて母親が部屋に入ってきた。 「あら?コウガが先に起きてるなんて珍しい事もあるのね。やっぱり誕生日だからかしら?」  と言って、ふふふと笑みを浮かべる。  自分の親をつかまえて言うのも何だが、すごい美人だ。  これで元A級冒険者で槍術の達人だと言うのだから信じられない。  村の近くで魔物が見つかったりすると、だいたいいつも母さんが退治している。 「何惚けているの? まだ寝ぼけているのかな?」 「え、えっと、おはよう母さん。もうご飯出来た?」  オレは前世の記憶が蘇ったせいで少し恥ずかしかったが、今まで通り接することにする。 「コウガが朝ごはんの事聞くなんて珍しいわね。いつも小食で朝ごはん食べたがらないのに?」  今まで通りというのは案外難しいようだ……。  前世で大食いだったから、ちょうど普通ぐらいになったかもしれない。  こうしてコウガとしてのいつもの日常は、いつもと違う朝を迎えて新たに動き出すのだった。  ~  それから数日の時が流れた。     
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