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【第3話:大変そうだ】
オレは家には向かわず、近くにある畑に向かっていた。
今日、母さんは狩りにはいかず、家の小さな畑を耕やしているはずだからだ。
「母さん! 聞いて! ギフトだよ! ギフトを授かったよ!」
オレは遠くに母さんの姿を確認すると、大声でそう叫んでいた。
母さんはオレのその言葉の意味を理解すると、目を見開いて驚き、そして綺麗な顔を歪めて一緒に喜んでくれる。
「うわぁ! 今夜はお祝いしないとだね!」
そう言って駆け寄ったオレの脇に手を入れると、軽々と高く持ち上げてクルクル周り始める。
ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったのは内緒だ。
「ギフトとか凄いじゃない! さすが母さんの子だよ!」
「へへへ。それでね。凄いギフトなんだよ!」
オレが自慢気にそう言うと、母さんはギフトはあまり口外するものじゃないからと、とりあえず家に入ろうと言って、家の中に移動することになった。
「それで一体どういうギフトを授かったんだい?」
ようやく話せると思ってオレは喜んでそのギフトの名を告げる。
「えっと……ドラゴンテイ……じゃなくて……【ギフト:竜を従えし者】だよ!」
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