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【第2話:秘密じゃない秘密の遊び場】
朝、目覚めると見知らぬ天井があった。
いや。見知らぬというと語弊があるか?
紅雅 穿輝としては知らない天井があった。
寝ているのは粗末なベッド。
家は少し古びているが、ログハウスのような感じで元の世界の感覚で言うと少し洒落た感じに見える。
紅雅 穿輝としてではなく、この『異世界クラフトス』でコウガとして育ったオレが5年間過ごした家だ。
ここは名も無き小さな山間の村。『アデリア大陸』の小国『トリアデン王国』の最西端にある村だ。
一番近い『地方都市ドアラ』でも徒歩で1週間はかかるような所で、めったに行商人も訪れない辺鄙な場所にあった。
頭がまだ少し混乱しているが、ようやく落ち着いてきた。
今日はコウガとしての5歳の誕生日の朝。
起きたら当たり前のように前世である紅雅 穿輝としての記憶が蘇っていて、幼い5歳までのオレの記憶や感情と上手く融合されたような不思議な感じだ。
0歳から前世の記憶があったら正直耐えれなかったかもしれないので、これは正直ありがたかった。主にオムツ的な所とか。
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