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ところどころ止まりながらも試練を乗り越えている。
大して長くもない階段の最後の段の時俺はドラマチックに倒れた。
「たっくん、おはよう。
二階ですごい音したけど、ベットから落ちたの?大丈夫?」
「……母さんおはよ。全然だいじょばない。」
「はっ。兄ちゃんまた落ちたの?」
「伊織うるせぇ」
母さんに台所から心配される。
母さんの後に続き弟の伊織に鼻で笑われる。
まったく、昔は可愛かったのに今では随分生意気になった。
そしてみんな、俺が倒れたことには突っ込まない。
なんだか恥ずかしくなり痛みを気にせず立ち上がる。
「かあーさんご飯はー?」
「出来てるわよ。テイブルに運ぶの手伝って。ほら伊織くんも」
はぁーい、とだらしない返事をして伊織はソファから立ち上がる。
その姿を見てをソファでゴロゴロしてたんだと分かる。
さすが俺の弟。だらしない。
「そういえばたっくん。時間大丈夫なの?」
「え?時間?」
時間?今日は目覚ましがなる前に起きたぞ?
そう思いながらも時計を見る。
今の時刻は………7時26分。
いつも7時40分に家をでてるから、急げば普通に間に合う。
「いや、ふつーに間に合うだろ」
「でもいつも7時20分に行くじゃない。もうすぎてるわよ」
不思議そうにする母を見てやっと気がつく。
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