そして空を見上げた

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「いってきまーす」 鞄を持っている方の逆の手でドアを開ける。 自転車に鞄をいれ上着を着る。 鍵は……っと付けっぱなしだったか。 我ながら不用心だな。 俺には少し高いサドルに跨がり足に力をいれ思いっきり漕ぐ。 高いんなら下げればいいじぁあないかと思う人もいるだろう。 しかし、俺は周りからあっ、こいつ足長いんだなと思われたい。 サドルはあまり関係ないように思えるがこれは男心である。 男子が女子を理解できないように女子には一生理解できないであろう男心ってもんがあるのだ。 「たーあくんっ!」 うんうん、と一人頷いていると後ろから俺を呼ぶ声が。 自転車に乗っているため後ろは振り向けないが声で誰だか分かる。 「おはよ。明日香」 「うん!おはよー」 相変わらず元気だな。 明日香は小学生からの友達で、高校も同じなので仲良くさしてもらっている。 なかなかフレンドリーなヤツで高校生になっても男女構わずお友達感覚だ。 「いっやぁー、今日目覚まし時計中学生の頃の時間に設定しちゃってさ。 遅れちゃたよ。たっくんも寝坊?」 「まぁ、俺もそんな感じ」 「まだ慣れないよねー」 明日香は俺と並んで自転車を漕ぐ。
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