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まさか……これは一緒に登校する流れでは?
おぉ、神よ、このようななお恵みを与えてくださりありがとうございます。
明日香は一緒にいて楽しいし結構好きだ。
「そうだな。」
「あー、ホームルーム間に合うかな。今何時だろ」
正直間に合わなくていい。
寝坊したというのに会うとはなんたる偶然。
「えっと、家は7時半にでたから今は35、6分くらいじゃないか?」
「それでいつも学校行くのに一時間以上かかるから……」
「えっ?!一時間以上もかかんの?」
「うん。そりゃ自転車通学だからね。
あれ、たっくんは電車通学だったっけ」
「あ、い、いや!自転車です!」
とっさに嘘をつく。
このまま明日香と一緒に行きたかったからだ。
それに俺だけ電車で行くなんてなんか嫌だった。
「?そう?でも自転車だと絶対遅れるね。
今日は電車でいこうかな~。たっくんはどうする?」
「俺?俺は電車で行った方がいいと思うけど」
「じゃ、そっちにしよ。
たっくんも自転車じゃ絶対遅れるよ。一緒にいこ?」
うぉー!きたぁ!!
平然を装いながら自転車を漕いでいるが内心叫びっぱなしだ。
「おう。いいぞ」
「でも駅、さっき通り過ぎちゃったね。戻る?」
あ、そういやそうだった。
喜びすぎて周り全然見てなかったから。
「戻ろう。すぐ近くだし」
ぐるんと回り、来た道を戻る。
好きな子と話しながら電車に乗れるとは。
今日はついている。
それから数分後、駅についてちょうど来た電車に乗るもあまり話せなかったのだが。
そばにいている事だけでも癒しとなる。
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