そして空を見上げた

6/7
前へ
/7ページ
次へ
まさか……これは一緒に登校する流れでは? おぉ、神よ、このようななお恵みを与えてくださりありがとうございます。 明日香は一緒にいて楽しいし結構好きだ。 「そうだな。」 「あー、ホームルーム間に合うかな。今何時だろ」 正直間に合わなくていい。 寝坊したというのに会うとはなんたる偶然。 「えっと、家は7時半にでたから今は35、6分くらいじゃないか?」 「それでいつも学校行くのに一時間以上かかるから……」 「えっ?!一時間以上もかかんの?」 「うん。そりゃ自転車通学だからね。 あれ、たっくんは電車通学だったっけ」 「あ、い、いや!自転車です!」 とっさに嘘をつく。 このまま明日香と一緒に行きたかったからだ。 それに俺だけ電車で行くなんてなんか嫌だった。 「?そう?でも自転車だと絶対遅れるね。 今日は電車でいこうかな~。たっくんはどうする?」 「俺?俺は電車で行った方がいいと思うけど」 「じゃ、そっちにしよ。 たっくんも自転車じゃ絶対遅れるよ。一緒にいこ?」 うぉー!きたぁ!! 平然を装いながら自転車を漕いでいるが内心叫びっぱなしだ。 「おう。いいぞ」 「でも駅、さっき通り過ぎちゃったね。戻る?」 あ、そういやそうだった。 喜びすぎて周り全然見てなかったから。 「戻ろう。すぐ近くだし」 ぐるんと回り、来た道を戻る。 好きな子と話しながら電車に乗れるとは。 今日はついている。 それから数分後、駅についてちょうど来た電車に乗るもあまり話せなかったのだが。 そばにいている事だけでも癒しとなる。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加