第三章 緑の大地

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第三章 緑の大地

 高き枝に生じた“人”は、広大な高き枝の上で楽しく暮らしていた。  “人”はいと高き枝のみを知り、低き枝を知らなかった。それでも“人”は、初めに生じた三つのものといと高き枝に生じた二十のものを“神々”と呼び、神々に守られて幸福であった。  ある時、低き枝から永劫にも等しい高さを飛び渡り、一羽の鳥が高き枝に迷い込んだ。  疲れきり、息も絶え絶えの鳥を見つけ手当てを施したのは、幹に最も近く生じ、神々に最も近き血を引くドラゴンであった。  手当ての甲斐あって、鳥は元気を取り戻した。初めて目にする鳥に興味を持ったドラゴンは、鳥から様々な話を聞き、そこで初めて低き枝の世界を知った。  初めて知る低き枝の世界に強く惹かれたドラゴンは、鳥とともにいと高き枝に住まう“神々”の前に進み出て、樹を下ることを願い出た。  初めてドラゴンの願いを聞いた二十の“神々”は、ここに初めて話し合いの為の会合を開いた。後に“パンデオス”と呼ばれるものがこれである。  初めての“パンデオス”において、まずドラゴンの願いをよしとされたのは黒き力を持つ荒ぶる神々であった。     
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