第三章 緑の大地

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 黒き神々は、敢えて安らかな暮らしを離れ、苦難の道を選ぶドラゴンの勇気を称えた。  しかし白き力を持つ優しき神々は、ドラゴンの願いを否とされた。白き神々は、ドラゴンの身を案じ、高き枝での安らかな暮らしを強く勧めた。  二十の神々の意見は二つに分かれ、結論は出なかった。  そこで神々は、至高の三神に結論を仰いだ。  在って在る神は深い眠りに在り、何も語らなかった。  時の神も黙して語らず、ただ秩序と均衡の神のみが結論を下した。  秩序と均衡の神はドラゴンに下降を許したが、しかしドラゴンに一つの忠告を与えた。  枝を降り、再び枝に戻るには、体を重くしてはならない。もし今より重くなれば、汝はここへは戻れぬであろう、と。   ドラゴンはそれを覚え、意を決して鳥と共に幹を降りようとした。  そこへ同じ枝から生じた弟と妹たちがやってきた。弟と妹たちはドラゴンと鳥の話に興味を覚え、長兄たるドラゴンとともに幹を降りたいと思った。  ドラゴンもこれを喜び、神々には告げず鳥の先導により初めて、“人”の生まれた高きところの枝を降りた。  幹を下ること永劫に近かった。しかしやがて“人”はまだ見も知らぬところ、低き枝の上に降り立った。     
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