第四章 神々の守護

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第四章 神々の守護

 “人”と“動物”が“体”を持つものとなって、永劫にも近い時間が過ぎた。  “人”と“動物”は常に重い“体”と、“体”の飢えを抱えて、世界樹の根の上の世界たるこの地上で暮らし、世界樹を昇ることもできなかった。  神々と呼ばれたいと高き枝に生じた二十のものは、いと高き枝よりこの様子をみそなわした。  寄る辺なく、自らの生を自らが支える過酷な生に悲嘆に暮れる“人”と“動物”に神々は哀れみを覚えた。  ここに全ての神々は集い、二度目のパンデオスが開かれた。  初めに自らの意を述べたのは、いと恵み深き中でも秀でて優しく恵み深き“生命の女神”であった。  生命の女神は“人”と“動物”という総ての生命を愛しく思い、地上の“人”と“動物”の守護を申し出た。  至高の三神の内、眠れる神を除いた神々はこれをよしとされた。  ここに地上の“人”と“動物”は、生命の女神の守護の下、子孫に生命を繋ぐものとなった。  次に自らの意を述べたのは、厳しき神の中でも秀でて厳しき“死の女神”であった。  だが死の女神でさえ、地上の“人”と“動物”の有り様には哀れみを覚え、その苦を限りあるものとするべく申し出た。     
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