108人が本棚に入れています
本棚に追加
1人目は、もう星になってしまった人。彼はこの空のどの星なのだろうか。
「私にはそうとしか見えないわ。」
「気分?」
「そう。気分。」
そう言って笑う彼女も、俺には寂しそうに見える気がした。
気分…か。たしかに、非科学的でもそれは、俺たちの1番大事な部分に関係しているものなのかもしれない。
「俺は、ノア。ノア・メイスフィールド。」
なぜか名乗りたくなった。たとえ今ここで終わる関係だとわかっていても、…いや、ここで終わるからこそ、彼女に名前くらいは伝えておきたいと思ったのだ。
彼女は一瞬驚いたような顔をして、それからそれはゆったりと柔らかい微笑みへと変化した。
「シンシア・シェイクスピア。」
その言葉が終わるのと同時に、パーティー終了の挨拶が響く。
俺たちは挨拶も交わさずに、別々の方向へと戻っていった。
最初のコメントを投稿しよう!