ep13 デートのような。

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ep13 デートのような。

一緒に並んで歩くのはノアさんの家に行った時以来だ。緊張していつもよりさらに歩くのが遅くなってしまう。 自分より脚の長い彼は、僕のペースに合わせてゆっくりと歩いてくれる。ただでさえ遅いのにさらに遅いなんて、いらいらしないのだろうかと彼の顔をのぞいても、彼は平然としたままだ。 綺麗な横顔だな、と思う。綺麗に鼻筋が通っていて、横から見ているとそれがよくわかる。切れ長の目も、その中に浮かぶ真っ黒な瞳も、どこを取っても美しく映る。 外はぽつぽつと冷たい雨が降っていて、ノアさんは1つしかない傘を僕の方に傾けながら優しくエスコートしてくれる。彼の肩を見ると、少し濡れていた。 「僕が持ちますよ、傘。」 「いいよ。背が高い方が持つもんだろ?」 申し出を笑いながら軽くかわされる。こういうちょっとした優しさも好きだ。この人に僕などには構っていないで幸せになってほしい、と思う。 「ありがとうございます。」 「気にするなって。」 トントンと肩を叩かれて、その部分だけやけに体温が熱くなったように感じた。
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