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ep14 家族とクリスマス
プレゼントを買った後は、そのままテオの家に向かった。
「よく行くんですか?」
近道と言って細い道に入ったり、あまりに自然に歩くので、不思議に思い聞いてみる。
「…あー、どっちかというと、あの建物にに行き慣れてる。」
「建物?」
建物、とは家に対して使う言葉だろうか?
「あ、着いた。あれ。」
ノアさんが指差した先には、殺風景な周りの中に一軒大きな建物が建っている。あれ?あれ、ということは、
「テオの家って… 」
「あれ。そして一階が俺の職場。」
「職場…ああ… ?」
全く状況が理解できない。あれ、ノアさんって何してたっけ…そもそもそこから記憶が定かではない。
そんなことを思いながら、階段をのぼって行く彼についていく。
「ちなみに、一階は病院で、アシュリーさんはそこの院長 」
テオの育ての親みたいな人?が院長で職場が病院でテオの家がその上で…情報量が多すぎてよくわからない。
「…ちなみにノアさんは何をしているんですか?お仕事。」
「え、医者。会ってすぐに言っただろ?」
言ってたっけ?と思い返してみれば、確かに言っていたような気もする。仕事から帰った彼から微かにする薬品のにおいは、そういうことだったのか。
むしろ、今まで一緒に生活しててよく気にならなかったなと自分でも不思議だ。
階段を上がるとその先には確かに一軒家の入り口のようなドアがある。
ノアさんがそのドアを遠慮なく開ける。鍵がかかっていないことにも驚いたが、それ以上になんのためらいもなく他人の家に入ったことに驚いた。
「テオ、カルロ連れてきた。」
流石にこのまま入るのは躊躇してしまうのに、ノアさんは僕の手をグイグイと引っ張り中へと導く。
「ちょっと今手が!!」
「落ち着いて、俺が行くから。」
「いや、カルロさんもいるし僕も行く。」
「じゃあ慌てないで 」
中からは慌てるテオの声と、少し低くて優しい落ち着いて凛とした声が聞こえる。テオと一緒に住んでいるという彼だろうか?
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