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少しして駆け足の足音が聞こえてきたかと思うと、テオがこちらに来た。
「カルロさん、お待たせして申し訳ないです。
…ノアはベル鳴らしてね。」
そして足音がもう1つ聞こえてきて、テオの後ろから金髪の男性が顔を出した。
「初めまして。アシュリー・シャーロックです。いつもテオがお世話になっています。」
彼は柔らかに微笑み、僕の方に手を差し出し、握手を求めてきた。緊張でかくかくとした動きになりながらもなんとか手を差し出す。
握手をしながら彼の顔をはっきりと見る。
そして、そのまま固まってしまった。
美しい人だ。
仕草や表情はおとぎ話に出て来る王子そのもの、整いすぎるほどに整った顔立ちも、陶器のように白い肌も、空や海のような吸い込まれそうな美しい青い瞳も、すらりと長い手足も、もうなんというかこの世の全ての美しい要素を入れ込んだような人。
ノアさんもかっこいい。けれど、こちらはもう人間であることを疑うレベルだ。いや、本当に人間…?
一目惚れとか、そういう類ではなく、ただ本当に驚いて鼓動が早くなっている。
「俺の顔に何か…?」
瞬きを一回してこちらを覗きこむだけで驚くほど絵になる。そうされてやっと、我に帰った。
「い、いえ。
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