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カルロ・シェイクスピアです。こちらこそテオくんにはお世話になっています。」
「よろしくね。テオから話は聞いているよ。カルロって呼んでいい?」
「あ、はい、もちろんです」
自分の声が裏返るのがわかる。そしてその反応を見てテオは、なんの驚きも示さなかった。
むしろ、“まあそうなるよね…”と表情が語っていて、それで多分自分が正常であることに安心した。
「どうぞ。」
テオに通されたダイニングは、綺麗に片付いているが生活感がある。テーブルいっぱいにたくさんのクリスマス料理が並べられていて、出来立ての湯気が立っている。
「座ってください。ノアはワイン?」
テオとアシュリーさんはまだそわそわとテーブルをセットしていて、先に座るのも悪いと思いながらノアさんがためらわずに座ったので僕もそれに続く。
「あるならワインで。」
「カルロさんはどうしますか?」
「弱いからできれば違うものがいいな。」
「じゃあ僕と同じでジュースでいいですか?」
「お願い。」
テオも弱いのか。なんだか親近感がわく。それより、先程からテオを見るアシュリーさんの目が少し気になっていた。大切そうに見守るそれは、どこか家族に対するもの以上のものを感じさせる。
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