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ep18 【最終話】見つけた幸せは。
「ねえ、ノアさん?」
朝起きると、いつもはソファに寝ているが、ベッドの上で目が覚めた。隣では愛しい人が目を細めてこちらを覗き込んでいる。
昨夜は熱かった。
今までのセックスってなんだったんだろうと、信じられないほど身体が火照って、自分の身体が自分のものではないように、理性がきかなかった。まるで自分が獣にでもなった気分で。
幸せってなんだろう。ずっと考えていた答えが出た気がする。これを幸せと言うのだろう。
「どした?」
「僕、髪伸ばそうかな。」
夜散々交わったあとは、もう敬語はやめにしようと話した。堅苦しくて遠い気がするから。
敬語じゃないくだけた口調もまた新鮮で、より愛おしく感じる。
「いいと思う。きっと綺麗だ。」
その緩くウェーブした美しいブロンドの髪は、伸ばしたらきっと、風になびいて綺麗だろう。朝日に照らされてきりめくその髪を緩く梳きながら、彼のきめ細かな触り心地の良い肩をだきしめる。
「ありがとうござっ…
ありがとう。
そのままの僕を、好きだと言ってくれて。」
慌てて言い直す姿も可愛らしい。この先ずっと、この少し危なっかしくて愛らしく、そして何よりも美しい彼を、どこまでも愛おしいと思う。
「こちらこそ。」
2人で顔を見合わせて、声をあげて笑った。これから2人で、いつまでもこうありたいと思うような、あたたかい朝だった。
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