第十話

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゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚ 「母上っ、ただ今戻り申したっ」 表で小太郎の勇ましい声がした。 小夜里は、ついにこの(とき)が参ったか、と胃の()がきゅっと縮こまり、持病ではないのに(しゃく)が現れる寸前だ。 顳顬(こめかみ)に立った青筋も、はちきれてしまうかもしれぬ。 座敷ではまだ、宮内少輔が布団の中で寝ていたのだ。 朝餉(あさげ)ができたので起こしに行ったら、揺さぶってもなにをしても、一向に目を覚まさなかった。 一旦ぐっすり眠ると梃子(てこ)でも動かないのは、我が子の小太郎も同じであった。 ……その小太郎がとうとう帰ってきたのだ。
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