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snow girl
こたつの中で、撮った写真を確認する。お祓いに出すか迷って、やめる。白いもやはいつの間にか消えていて、これが心霊写真だなんて言えば首をかしげられそうだ。特に2枚目は気に入っていて、コンクールへの出品も検討している。あの青年が消える直前、急いで撮ったにしては、なかなかいい構図だし。
本当は、少し気づいていた。あそこは出ると、クラスでも話題になることがあったのだ。珍しいものが撮れたら、なんて不謹慎な気持ちがあったのも嘘ではない。
でも、今思うとそれはきっかけに過ぎなかった。光、天候、角度、色んな要素が重なって、あの写真が撮れたと思うのだ。
「……あの人も撮りたかったなぁ」
最後の写真に彼はいない。しかし風に揺れる雪の花は、笑った顔のように見えるのだ。
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