snow man

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「すみません、そこ撮影禁止なんですけど」  人気のない公園の木の下に、彼女はいた。小さな手に大きなカメラを持って、寒そうに立っていた。 「あぁ……ごめんなさい」  彼女は申し訳なさそうに花壇から降り、深々と頭を下げた。と同時に、かけていた眼鏡がかしゃんと白い地面に落ちてきた。 「あちゃ、またやっちった」  大して困ってもなさそうな口振りで、静かに眼鏡を拾い上げる。そのままかけ直すが、片方のねじがゆるいのか、だらしなく傾いていた。彼女はカメラに大事そうにカバーをかけると、会釈して去ろうとした。 「待ってください。……本当に写真がないか確認させてくれませんか。不躾ですみません」 「……ああ、わかりました」  彼女はしぶしぶ再びカメラを出した。罪悪感が強く胸を締め付けたが、仕方ない。確かめるだけですから、と画像を見せてもらう。 「がっつり撮ってるじゃないか!」
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